B型肝炎訴訟
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2011年5月2日


札幌地裁の2次所見をうけての
全国原告団声明


全国B型肝炎訴訟原告団

1 はじめに

    本日、私たちは、本年4月19日に札幌地方裁判所が出したB型肝炎訴訟の2次所見を受諾するかどうかについて検討しました。
    討議の結果、私たちは、大変つらい決断でしたが、この2次所見を含む和解所見全体(「基本合意書」案)を受諾することを決定し、前に進むことにしました。



2 発症後20年経過した被害者について

    2次所見の最大の焦点は、慢性肝炎発症後提訴まで20年を経過した被害者の取り扱いについてでした。所見の内容は、残念ながら、発症後20年を経過した被害者への和解金と発症後20年未満で提訴した被害者への和解金との間に大きな差が付けられたものでした。
    「除斥」という法律があるからといって、より長く苦しんでいる被害者がより低い和解金しか受け取れないことは不条理であり不正義です。そうであるからこそ、この間、私たちは「差のない救済」を求めて、立法を含む政治による解決を求めて運動してきました。衆議院及び参議院の国会議員への要請に対しては、実質3週間足らずの短期間の内に、与野党160名を越える議員の方々より賛同署名をいただきました。
    ところが、本年3月11日、東日本大震災が起き、立法を含む政治による解決の先行きも極めて不透明となってしまいました。
    他方、私たち原告団の中には、末期の肝硬変患者や余命宣告を受けている肝がん患者などの重症者も多数おり、提訴後既に13名が解決をみることなく死亡しています。このままたたかいを続けることは、その中でさらに仲間を失うことにもなりかねません。私たちは、本年1月22日、第1次所見を「早期解決のための苦渋の選択」の結果として受入れました。今回、2次所見についてはさらに苦しい選択ではありますが、私たちは、たたかいによる一定の成果も評価したうえ、早期解決のために、和解所見全体を受諾することにしました。
    しかし、和解所見を受諾するとしても、私たちが発症後20年経過した被害者に対する国の対応が正しいと認めるものでないことは言うまでもありません。国が強くこだわり、裁判所の所見も極めて不十分なものにとどまったのは、あくまでもそれぞれが現行法の解釈にこだわったからに他なりません。しかし、この「除斥」という法律は、既に法制審議会等でもその廃止・変更が具体的に検討されているものです。過去の多くの裁判のなかでもその弊害が強く指摘されてきました。私たちは、発症後20年経過した被害者に「差のない救済」を求めるこの間の私たちの運動に賛同・共感していただいた国会議員の方々をはじめ、すべての国民・市民のみなさんの声を力にして、将来の立法などの機会において、引き続き「差のない救済」を求めたいと考えています。



3 基本合意の成立に向けて

    すでに、国は裁判所の「基本合意書(案)」の受諾を表明しています。
    私たちの受諾により、裁判所において協議されてきた問題については、解決の方向が基本的に定まることになりました。
    私たちは、国が、前提として確認されるべき次の点について、真摯に対応し、早期に基本合意が締結されることを求めるものです。

(1) 集団予防接種における注射器等の使い回しによってB型肝炎ウイルス感染被害を発生・拡大させ、その甚大な被害を長い年月放置・隠蔽してきた国の責任の確認と、すべての感染被害者及び感染の危険にさらされたすべての国民、住民に対する国の謝罪

(2) 次の施策の推進・実現の約束とそのための原告団・弁護団と国との協議機関の設置
    @ 偏見・差別のない社会実現のための啓発・広報活動等
    A 真相究明と再発防止
    B 和解により救済されない感染被害者を含めたすべてのウイルス性肝炎患者に対する恒久対策



4 最後に

    私たちは、集団予防接種の注射器等の使い回しによるB型肝炎ウイルス感染被害者の救済そしてすべてのウイルス性肝炎患者の救済実現のために本訴訟をたたかってきました。これまでのたたかいによって、感染被害を発生させた国の責任を認めさせ、不十分ではありますが、一定の被害者救済制度実現の見通しがついたものと思います。
    私たちは、この成果をもとにして、未提訴の被害者の被害回復と、すべてのウイルス性肝炎患者が安心して治療を受け、生活が出来る社会を実現するため、今後とも活動を続けてまいります。



以上

 
 
 
   
2011年1月22日


和解所見に対する全国原告団の声明


全国B型肝炎訴訟原告団

1 はじめに

(1)   私たちは、本日、本年1月11日に札幌地方裁判所から出されたB型肝炎訴訟の和解所見(「基本合意案」)をうけて、この和解所見に従った和解が可能か否か検討しました。
和解所見は、特にキャリア被害者に対し恋愛や結婚での差別を受けた被害、就職差別を受けた被害、肝炎のみならず肝ガンを発症する不安に襲われた被害を埋めあわせるのには救済内容が不十分であるなど、私たちが本件訴訟で求めてきたものからすれば決して満足できるものではありません。現にキャリア原告から受け入れ困難との意見も出されました。他方、病状重篤な原告も多く、一刻も早い解決を求める意見も多く出されました。また、和解所見には感染被害を発生、放置してきた国の責任について言及されていないことの不十分性を指摘する意見、発症後20年経過の被害者の扱いが明確でないとの意見も出されました。

(2)   これらの意見を集約し、討論した結果、私たちは、次の結論に至りました。
和解所見に示された和解の要件と水準については、早期解決のために苦渋の選択ではあるが、基本的には受け入れる、しかし、和解実現のためにはなお解決されるべき課題が多く残されており、以下の諸点の実現・解決が、実際に国との間で和解の基本合意を締結する前提条件であることを確認しました。



2 被害者の全員救済の実現

(1)   予防接種を受けた事実について不可能な証拠提出等を求めないこと
被害者認定の最大の問題は、国が、集団予防接種を受けた事実として、母子手帳や予防接種台帳などの提出に固執してきたことです。しかし、幼少期の予防接種は法律で強制され、多数の機会があったから、ほとんど全ての国民は受けています。
和解所見は、陳述書などによる代替立証を認めており、全員救済に道を開きました。しかし、国が数十年前の接種の事実に関して原告らに不可能な証拠の提出を求めることがあっては、全員救済は実現しません。全員救済が現実のものとなるように、陳述書の記載内容やその余の因果関係・病態認定方法を含む和解所見の具体化について、国が原告団・弁護団との間で、さらなる協議・確認を行うことを求めます。

(2)   20年以上苦しんでいる慢性肝炎発症患者を切り捨てないこと
国は除斥期間を強く主張していますが、慢性肝炎を実際に発症し、20年以上の闘病生活を強いられている被害者までもが切り捨てられるのは、「長く苦しんだものほど救済から排除される」ことになり、絶対に認められません。この点にこそ、立法を含む政治による解決を求めます。



3 国の加害責任に基づく謝罪等

(1)   被害者は何の落ち度もなく大きな被害を受けてきました。国は、国民に対して、集団予防接種による加害と被害の事実とその後の放置・隠蔽の事実を正確に説明して理解を求めたうえで、被害者に対して謝罪すべきです。
私たちは、国が、加害責任に基づく真摯な謝罪を行うよう求めます。

(2)   そして、国民全体に対する危険な注射器の使い回しの結果、多数の持続感染者(キャリア)は、いまだに自分が集団予防接種の被害者であることはおろか、持続感染者であることすら気づいていません。
国は、直ちに全国民に謝罪し、自分が被害者でないかを確認するためにB型肝炎検査を受けるよう、徹底的な宣伝行動を行い、被害者に治療を受ける機会を与えて、誠実に償う姿勢を示すよう求めます。

(3)   また、国はまたも財源論を強調し、不当に過大な金額をあげてさらには増税論までちらつかせて国民を惑わせ、国民と被害者の間にくさびを打って再び原告ら被害者を苦しめようとしています。このような国の態度は被害者に対する差別・偏見をいっそう助長するおそれがあります。国民に対して、集団予防接種による国の加害責任を正確に説明することなく、被害者への謝罪もしない現在の政府の姿勢は、決して許すことができません。


4 全面解決のために必要な施策

(1)   原告ら集団予防接種によるB型肝炎被害者は、病気そのものによる被害のみならず、故なき差別・偏見で苦しめられています。集団予防接種による加害事実を隠蔽し、救済を長期間放置してきた加害者としての国が、集団予防接種の加害と被害の正確な事実関係の説明を国民に対して行い、正確な医学知識の普及による差別・偏見をなくす施策(医療機関・医療従事者の対応についての指導・教育を含む)をとることは、加害者としてなすべき当然の責務です。「私はB型肝炎患者です。」と普通にいえる社会が実現してこそ被害者にとって本当の解決といえます。
また、本件の真相究明と再発防止策も不可欠です。
そして、キャリアを含む全てのウイルス性肝炎患者が、安心して検査・治療を受けて生活ができ、さらなる治療薬の研究開発や治療体制の充実がなされることなどの恒久対策は、本訴訟の大きな目的です。
私たちは個人の賠償の問題ではなく、これらの対策が少しでも実現できるようにと考え活動してきました。私たちはこの恒久対策をさらに進める活動を今後も行っていきます。

(2)   これらの施策について国が真摯に対応することを約束し、その実現のための原告団・弁護団と政府との協議機関を設置することを求めます。



5 和解実現に向けての今後の対応

以上のとおり、裁判所の和解所見を前提にしつつも、和解実現のための大きな課題が未だ残されているとの確認にもとづき、全国B型肝炎訴訟原告団は、残された課題の解決によって、和解実現に向けて行動します。

以上

 
 
 
   
2011年1月11日


B型肝炎訴訟・第12回和解協議について
和解所見に関する声明


全国B型肝炎訴訟原告団
全国B型肝炎訴訟弁護団

1) 本日、札幌地方裁判所は、B型肝炎訴訟について、和解による解決のための所見を示した。

2) 所見は、総論、基本合意(案)及びその説明からなるものであり、本訴訟の論点全般にわたる詳細なものであるが、とりわけ、被害者全員救済の観点から最大の問題としてきたキャリア原告に対する救済内容は、私たちの求めてきたものからすれば十分なものとは言えない。
  しかし、キャリア原告に対し、今後仮に発症した場合の救済が確保されているうえ、従前の国の提案にかかる検査費用等の実費負担に加え、若干の和解金と検査ごとの交通費等を加算し、その実効性を担保しようとしていることを勘案すると、一定の評価はできる。

3) 全体としては、被害者認定要件について、集団予防接種を受けたことの証明方法について母子手帳や接種台帳あるいは接種痕がない被害者についても救済の途が開かれたことなどからすると、それなりの内容で、被害者全員救済につながるものと評価できる。

4) 私たちは、国に対して、一日も早い全面解決のための政治決断を求めつつ、本所見について、今後できるだけ速やかに意見集約をはかりたい。


以上

 
 
 
 
2010年10月12日


B型肝炎訴訟・第5回和解協議における国の和解案について


全国B型肝炎訴訟原告団
全国B型肝炎訴訟弁護団

1) 本日、札幌地方裁判所の第5回和解協議において、被告国から「和解金額に関する国の考え方」が示された。この「考え方」において、国はようやく金額を含めた提案を行ったものであるが、キャリアに対する賠償金の支払いを行なわず、肝炎被害者について不当に低額な賠償金額を提示するなど、全体解決にはほど遠い、極めて不十分なものであると言わなければならない。

2) まず、賠償金について、国は、死亡・肝がん・肝硬変(重症)被害者に対して2500万円、肝硬変(軽症)被害者に対して1000万円、慢性肝炎被害者に対して500万円を支払うとしている。しかし、この国の提案額は、生命・身体の侵害を原因とする損害賠償請求訴訟における一般的な賠償水準や、同じ肝炎患者に対する賠償である薬害肝炎救済法の解決水準を大きく下回っており、納得がいくものではない。B型肝炎患者・感染者の命の価値に差を設けることに合理的な理由は見出せない。
国は、因果関係の立証の程度が低いことを低額にする理由のひとつにしているが、本年9月15日付の原告側の意見書(3)において明らかにしたとおり、本訴訟における原告の因果関係の立証は、従前の判例理論に沿った「高度の蓋然性」が認められる程度に至っているのであり、国の主張には理由がないことは明白である。

3) また、この「考え方」で国は、今回の国の提示額であっても総額最大1.5兆円の財源がかかり、原告側の主張通りであれば最大8兆円の「国民負担」が必要であるとも記載している。これらは根拠もなく不当に過大な、国民を惑わすものと言わなければならない。
何よりも、この訴訟は国の過失に基づく損害賠償請求であり、財源問題を理由に賠償額を減額できるものではない。さらに、国は集団予防接種によりB型肝炎ウイルスに感染した和解対象者の数はキャリアだけでも44万人いると推定している。この数字の根拠自体も薄弱であって根拠のないものであるが、そもそも、この推定が正しいとすれば、国はまずもって、このような膨大な感染被害者を出したことを国民に明らかにして謝罪すべきである。このように国の責任を棚上げにして、多額の財源を必要とすることをあたかも原告の責任のように言うのは本末転倒と言わなければならない。

4) 次に、キャリア状態にある被害者に対して、国はなお賠償金の支払いをしないとしている。
国の対応は、キャリアそのものの被害を全く無視するものであり、また、除斥期間を問題にすることについては、これまでの国の対応からして著しく正義に反し許されるものではない。 この点は、原告の意見書(3)で詳述したとおりである。

5) また、今回、母子手帳に替わる証明方法の問題や母子感染否定要件などについては、国から改めての提案はなされなかった。原告の意見書(3)において、私たちは本件の解決に必要な論点すべてについての考え方を示している。国は、これらについて、早急に解決案を提案すべきである。

6) 以上のとおり、本日提案された国の提案は、なお、被害の切り捨てであるとともに、被害者の被害に見合った解決水準になっていない。
私たちは、国に対して、改めて、キャリアを含め一人の被害者も切り捨てることなく、被害者の被害に見合う水準の解決案を提示することを求めるものである。


以上

 
 
 
 
2010年5月14日


和解勧告に対する国の対応に関する声明


全国B型肝炎訴訟原告団
全国B型肝炎訴訟弁護団


1、 本日、札幌地方裁判所の弁論期日において、被告国は3月12日の和解勧告に応じて「和解協議入りする」ことを表明した。
しかしながら、国は、具体案を示さずしかも裁判所が示した「救済範囲を巡る本件訴訟の各争点については、その救済範囲を広くとらえる方向で判断」するとの指針を受け入れるかどうかについては「抽象的な回答はしない」として実質的にその指針の受け入れを否定した。
さらに、今後の進行に関しては、集団予防接種による感染であるかの判断基準について検討期間が必要であるとして、第1回の和解期日についても7月上旬にすることを求め、事実上、協議入りを先延ばしする態度に終始した。
さらに、原告・弁護団との直接協議についても拒否をした。

2、 われわれは、3月12日の和解勧告後、2名の原告の命が失われる中、国に対し、早急に和解協議入りを決定すること、関係閣僚が原告ら被害者と面談し、直接被害の訴えを聞いた上で判断することを求めてきた。
国はそれらの要請をことごとく拒否をしてきたが、これらに加えて、本日の和解協議においても、実質的に和解協議を先延ばしにする態度をとったものである。
国が、和解勧告後2か月経っても、未だ原告ら被害者の訴えに耳を貸そうともせず、解決どころか、協議入りさえ事実上先延ばししようとする態度を取り続ていることは、B型肝炎訴訟の早期解決を求める世論にも背を向けるもので、われわれは、怒りをもって厳しく糾弾する。

3、 裁判所は、法廷において、従前の裁判所の和解の指針について、思いは同じとの見解を明らかにした。この点について我々は評価し、裁判所には、その姿勢を堅持し、被告にこれ以上の引き延ばしを許さない対応を求めるものである。

4、 われわれは、この被告国に対して、早急に態度を改め、救済範囲および救済水準に関して裁判所の和解勧告における指針を前提にして、裁判所の内外を問わず、早急に協議を開始することを求める。
命を守ることを標榜する鳩山政府においては、早期解決のために、和解協議と並行して原告らとの交渉のテーブルを設定するよう求める。

以上

 
 
 
 
「関係閣僚協議で和解協議入り決定」との報道について(コメント)


全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団


5月9日、政府は、関係閣僚協議で、B型肝炎訴訟について、裁判所の勧告に応じ、和解協議に入ることで一致したとの報道がなされた。

報道の通りであれば、3月12日の札幌地裁の和解勧告後2カ月近く時間を要しての決定であり、一歩歩みが進められたものとして一応評価できるが、和解協議入り自体は当然のことであり、時間のない原告ら被害者にとっては遅すぎると言わざるを得ない。

より本質的に重要なことは、この決定により、政府が可及的速やかに、しかも、既に2006年の最高裁判決及び昨年11月に成立した肝炎対策基本法により繰り返し確認されている国の責任を自覚し、誠実に被害の回復に向けた対応をするかどうかにある。

B型肝炎感染被害について国の責任を認めた2006年最高裁判決からでもすでに4年が経過している。政府には、これまでこの問題を検討する十分な時間があったはずである。他方、2008年の新たなB型肝炎訴訟の提訴後、すでに10名の原告が亡くなっている。B型肝炎感染被害者には時間がないのである。

政府は、正式な和解協議入りの態度表明を5月14日に札幌地裁で行うというのであれば、その後、いたずらに期日を先送りすることなく、合意成立を目指し、裁判所の内外を問わず、精力的な協議の機会を持つべきである。また、「財源」を理由に、予め被害者・原告らが受け入れられない「和解案」を提示し、事実上和解を拒否するような態度を取るべきではない。関係閣僚が被害者・原告らと面談し、その被害実態を直接知った上で誠実な協議を行うべきである。

われわれは、政府に対し、札幌地裁が示した「救済範囲を巡る本件訴訟の各争点については、その救済範囲を広くとらえる方向で判断し、それとの相関で、合理的な救済金額を定める」との指針を最大限尊重し、可及的速やかに合意が成立するよう協議に臨むことを求めるものである。

2010年(平成22年)5月9日


 
 
 
 
全国B型肝炎訴訟北海道訴訟の和解勧告についての声明


全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団


本日、札幌地方裁判所は、全国B型肝炎訴訟・北海道訴訟について、和解勧告を行いました。

裁判所は、従前より、本件は和解による解決が望ましいとの考えを示していましたが、本日、原告・被告双方に、次回期日を目途に、和解協議に入れるか否かについて検討されたいと、正式に和解の勧告をしたものです。

この勧告で注目すべきは、裁判所が「和解協議にあたり、救済範囲を巡る本件訴訟の各争点については、その救済範囲を広くとらえる方向で臨む」との指針を示したことです。

これまで裁判所は、進行協議の中で原告被告双方の意見を聴取しながら、本件訴訟における主要な争点について整理を行ってきましたが、裁判所は、最高裁判決で確定している国の責任を前提として、被害者を広く救済すべきであるとの立場に立って、和解を勧める姿勢を明らかにしたものです。私たちは、この裁判所の姿勢を大いに歓迎するものです。

本訴訟が提起されてすでに2年が経過しました。この間、すでに北海道訴訟で3名、全国で6名の原告が亡くなっています。現に病状重篤な原告も多数います。本件の解決には一刻の猶予も許されないのです。

「いのちを守りたい」と鳩山首相は何度も国会で演説しています。にもかかわらず、誤った国の行為によって原告たちは命を奪われ、奪われようとしているのです。守るべき命がここにあります。原告たちの命を守らずして、「いのちを守りたい」とは到底言えません。

私たちは、被告国が、今回の和解勧告を受け入れ、B型肝炎訴訟を全面的に解決する方向に姿勢を転換し、一日でも早く和解を実現させること、そして、そのために、原告・弁護団との協議をただちに開始することを強く求めるものです。

2010年(平成22年)3月12日

 
 
 
 


B型肝炎とは

B型肝炎患者・感染者が、B型肝炎ウイルスに感染した原因が、注射針・筒を連続使用した集団予防接種にあるとして、国を被告として損害賠償を求めた裁判です。
2006年6月16日、最高裁判所は、B型肝炎ウイルスに感染した5人の原告全員について、B型肝炎ウイルスに感染した原因が、原告らが乳幼児の時に受けた注射針・筒を連続使用して実施された集団予防接種にあるとして、国の責任を認めました。
全国にはB型肝炎患者・ウイルス感染者が120万人から140万人いると推定されています。さらにC型肝炎患者・ウイルス感染者は100万 人〜200万人いると言われています。
これらのウイルス肝炎患者・感染者の感染原因の多くは、今回の最高裁判決で明らかにされたように、過去繰り返し行われた集団予防接種にあるものと考えられます。ウイルス肝炎蔓延の原因が国の厚生行政のずさんさにある以上、国には、ウイルス性肝炎患者・感染者の救済対策を取る義務があります。
今回の最高裁判決は肝炎対策を実現させるための大きな力となるものと考えています。私たちは、今後、総合的な肝炎対策の実現のために活動を続けていきます。

ウイルス肝炎患者・感染者救済のための要望書

〔連絡先〕
060−0042
札幌市中央区大通西13丁目4番地 北晴大通ビル2階
公園通り法律事務所
弁護士 奥泉 尚洋

 
 
B型肝炎訴訟ホットラインのお知らせ


集団予防接種での感染

 ウイルス肝炎患者、感染者の中で、自分がウイルスに感染した原因が不明である、感染 原因は集団予防接種しか考えられないと言う人が多数いるものと思われます。
国に対して全国のウイルス性肝炎患者の救済対策を取らせるために、同じような立場に いる人たちの実体をさらに詳しく情報を収集し、その内容を国に突きつけていきたいと考え ています。
集団予防接種によってウイルス性肝炎に感染したと思われる患者・感染者の方々からの 情報をお待ちしています。

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